車の目とも呼ばれるヘッドライト。素材がガラス製からポリカーボネート製(樹脂製)から変わったことで黄ばんだり、曇りやすくなりました。その黄ばみ・曇りの理由は何でしょうか?デメリットはあるでしょうか?また、それを対策して綺麗に保ったり、綺麗に復元したりする方法はあるでしょうか?まとめてみました。
ヘッドライトが黄ばむ・曇る原因
ヘッドライトが黄ばんだり、曇ったりするには主に4つの原因があります。
・紫外線
ポリカーボネートは耐衝撃性・透明性に優れていますが、太陽光(紫外線)には弱いという弱点があります。車のボディ同様、むき出しのヘッドライトもずっと紫外線を浴びるので、外に出しておく時間に比例して黄ばみが進行します。
・熱
ポリカーボネートは耐熱温度が120℃~130℃で、樹脂の中では高めの耐性を持っています。しかし耐えられる温度であっても、高温は樹脂にとってよくありません。レンズカバーの裏にあるライトバルブ(電球)が使用中に高温になるため、その熱がヘッドライトに伝わり、じわじわと劣化させ黄ばみの原因になります。
・傷
車のパーツ全てに言えますが傷がつくことは劣化の原因の1つです。ヘッドライトはフロントにあるため、とくに傷がつきやすい部分です。最初は小さな傷であっても、劣化によって徐々に傷が大きくなります。そこから汚れが入り、黄ばみを促進させます。
・ヘッドライトの被膜の劣化
太陽光や温度・傷などが原因なのでどんな車でも必ずヘッドライトは劣化していきます。そのためメーカーは対策として製造時に保護層としてハードコートを塗装しています。しかしこのハードコートもずっと保護してくるわけではなく、徐々に劣化していきます。その過程でヘッドライトが黄ばんでいきます。
このような原因によりヘッドライトは劣化してゆきます。
曇り・黄ばみによるデメリット
ヘッドライトが黄ばむ・劣化することでどんなデメリットがあるでしょうか?
・車の美しさが損なわれる
こちらはヘッドライトコーティングでご入庫いただいた時の、ポルシェ911のヘッドライトです。
911シリーズはポルシェを代表するデザイン性の優れた車の1つでありますが、ご覧のようにヘッドライト・ポジションランプが黄ばみとシミで車の輝きが損なわれてしまっています。
このようにどんな高級車でも、またどれだけボディが綺麗でもヘッドライトが曇っていると、車の印象が古く感じるようになり美しさが損なわれます。
・ヘッドライトがひび割れてしまう
原因の1つにも取り上げましたが、ヘッドライトは傷がつきやすいパーツで、それが黄ばみの原因となります。もし傷が原因の黄ばみを放置していると、その傷が拡大していったり、また紫外線の影響でヘッドライトの表面に細かなひび割れが発生しやすくなります。
そのひび割れにより黄ばみが内部まで入り込んでしまうと、交換する以外に黄ばみを消す方法がなくなります。新品交換になると5万円以上は必要になります。
・夜間走行での危険
ヘッドライトが曇っていると夜間走行が危なくなります。夜間にライトを点灯しても曇りガラスを通して照射することになるので、光量不足の危険な状態で運転しなければなりません。
危険な状態になってしまうため、光量不足は車検でも悪影響がでます。
・車検が通らなくなる可能性が上がる
さきほども触れたように、ヘッドライトは安全に夜間に走行するための重要なパーツです。ですのでヘッドライトなどの灯火類には、法律で細かい規定がなされており一定の光量を出せることが求められています。
2015年にヘッドライトの検査規準が厳しくなったので、曇っていると車検を通らない可能性が高くなっています。
このようにヘッドライトが黄ばんだり、曇った状態には様々なデメリットがあります。
黄ばみ・曇りの対策
以前はヘッドライトを交換するか、研磨してコーティングするしか対策できませんでしたが、片側で数万円もし非常に高価であったり、コーティングも数ヶ月で黄ばみが生じるなど選択肢が限られていました。しかし、現在はプロテクションフィルムで予防したり、ヘッドライトアクリル樹脂コーティングによって1年から5年ほどの長期間保護できる方法があります。
紫外線を93%カットするフィルムで保護
黄ばみが生じる前、特に新車の状態で有効なのがヘッドライトプロテクションフィルム。黄ばみの原因になる耐スクラッチ性能や、紫外線を93%カットできる性能があります。貼っておくことで黄ばみ・曇るの防いだり、遅くすることができます。
劣化した保護層を研磨で削り、新たにコーティングで保護
すでに黄ばんでいる場合に有効なのがヘッドライトアクリル樹脂コーティング。ポリカーボネートよりも耐候性が優れ、傷に強い特性を持つアクリル樹脂でコーティングします。日光による劣化がほとんどなく保管・使用状況によっては最長で5年間保護できます。
また、コーティング時に重要なのがどれだけ劣化した保護層を削るか。綺麗な状態にしっかり復元できていないとコーティングの意味があまりないので要注意です。
ヘッドライトは黄ばんだり曇ったりする前にも、後にも対策できる
このようにヘッドライトは様々な原因で黄ばんだり曇ったりします。以前は交換しか有効な対策がありませんでしたが、現在は交換しなくても良い対策法があります。どうぞ今のお車の状態に合わせて、車の目を保護することをオススメいたします。