人気急上昇中のマット塗装。
この種の塗装は輸入車に多く見られますが、最近では国産車の特別仕様車にも採用されるようになり、より身近な存在になっています。
この特別感あふれる塗装は非常に人気がありますが、汚れや傷がつきやすいというデメリットがあります。そのため、購入を検討する際や購入後のケア方法について悩むオーナー様も少なくありません。
そのようなマット塗装の保護に悩まれるオーナー様に役立つ情報をまとめました。
結論として、この扱いにくいマット塗装を守るためには、主に2つの方法が効果的です。
それが「プロテクションフィルム」と「コーティング」です。
カーハートについて
2024年に開業30年になるカーハートは、兵庫県神戸市に位置するコーティングとプロテクションフィルムの専門店です。Mercedes-Benz、BMW、MINI、PORSCHE、Ferrari、Lamborghiniといった多様な輸入車への施工を得意としながら、国産車にも対応し、幅広い車種に高品質なカーディテイリングサービスを提供しています。
プロテクションフィルムでマット塗装を守る
マット塗装を守る効果的な方法の一つがプロテクションフィルムの使用です。
このフィルムは車のボディに直接貼り付けます。
フィルムを貼ると見た目がおかしくなるのでは?と思われるかもしれません。
しかし、実際には、このプロテクションフィルムは非常に透明度が高く、施工後はほとんど目立たないほどです。至近距離で見ればフィルムの端が確認できるかもしれませんが、通常の距離からではほとんど認識できません。
プロテクションフィルムの最大の利点は、飛び石や様々な汚れからマット塗装を保護できることです。
これにより、車体をあらゆる外部ダメージから守ることが可能になります。
プロテクションフィルムの2つの仕上がり
プロテクションフィルムには、艶ありと艶なしのステルス(マット)仕上げの2つのタイプが存在します。マット塗装にステルス仕上げのプロテクションフィルムを施工することで、施工前と後の外観に違いを出さずに仕上げることが可能です。また、通常の光沢のある塗装にステルスタイプのプロテクションフィルムを施工すると、マット塗装のような仕上がりを実現できます。
ステルスのプロテクションフィルムを施工することで通常の塗装もマット塗装のように
プロテクションフィルムが保護できるもの
コーティングでマット塗装を守る
マット塗装の保護方法として、コーティングが一つの効果的な手段です。
コーティングは通常の塗装にも有効ですが、特に汚れやすいマット塗装においてその効果を発揮します。
コーティングを施すことにより、雨染みやその他の汚れが付きにくくなるという利点があります。
ただし、コーティング施工時のムラは研磨では取り除けないため、施工の難易度は高いです。
プロテクションフィルムとコーティングのデメリット
ここまで取り上げたようにマット塗装を守るためにはプロテクションフィルムとコーティングが有用です。マット塗装を守るにはどちらかか、または両方されることをオススメしています。
しかし、どんな商品にもデメリットや欠点があるものです。この2つにもデメリットは存在します。
プロテクションフィルムのデメリット
プロテクションフィルムのデメリットは大きく分けて3つあります。
1.異物噛みや糊ズレの可能性
プロテクションフィルムは「保護」することが主目的の商品になります。
理想的には100%綺麗に施工できるのが望ましいです。しかし、実際には約1%から0.1%の確率で異物噛みや糊ズレが発生することがあります。この比率は面積に対して非常に小さいため、大きく目立つものではないですが、じっくりと見るとわかることがあります。特に小さなパーツでは問題が発生しにくいですが、ボンネットやフェンダーのような大きなパーツの場合、この問題がより発生しやすくなります。
重要なのは、この問題が施工者の技術不足に起因するものではなく、フィルムの施工上の性質や特性に由来するため、どのショップで施工しても同様の問題が発生する可能性があるということです。
プロテクションフィルム最大手のXPEL JAPAN公式サイトにはこのような注意事項が記載されています。
ペイントプロテクションフィルム(PPF)は塗装ではないため、施工時にイレギュラーな不具合(シワ・気泡・ゴミの侵入・車両形状上の施工ができない部分など)が発生する可能性がございますので、予めご了承ください。XPELの認定施工店は、これらの自体を避けるために最善を尽くしますが、優秀なエンジニアであっても、すべてを完全にこなすことはできないことをご理解ください。
2.コーティングに比べると高額かつ時間がかかる場合がある
プロテクションフィルムの施工について、部位によってはコーティングよりも高額かつ時間がかかることがあります。
たとえば、ドアエッジやドアハンドルのような小さなパーツの場合、施工時間は数十分程度で完了し、料金も約4,000円と比較的安価です。
しかし、ボンネットやフェンダーなどの大きなパーツの場合は、材料費が増加し、施工面積が広いため施工難度も上がります。この結果、施工には2日程度かかり、料金も10万円以上になることが一般的です。
3.施工後5~7年程度で貼替えが必要になる場合がある
プロテクションフィルムは汚れや傷など様々なダメージから保護する役割を果たしますが、時間の経過と共にフィルム自体も汚れや傷が蓄積します。そのため、フィルムの状態によっては、剥がして新しいものに貼り替えることが望ましい場合があります。
さらに、塗装は経年により劣化し、弱くなることがあります。プロテクションフィルムが塗装に強く密着しているため、施工後7〜10年が経過すると、フィルムを剥がす際に塗装を損傷するリスクが高まります。このため、5〜7年ごとの貼り替えが推奨されています。
※保管状況や使用状況によって、貼り替えのタイミングは異なります。また塗装の不具合が原因で施工後1年未満でも剥がすと、塗装が損傷することもあります。
コーティングのデメリット
マット塗装へのコーティングでのデメリットは2つあります。
1.傷対策としての限界
コーティングはプロテクションフィルムに比べて薄いため、汚れ防止には効果的ですが、傷からの保護には十分ではありません。
飛び石や枝、小石などによる摩擦ダメージからの保護は期待できません。
2.汚れにくいが汚れないわけではない
コーティングは車体を「汚れにくく」するものです。施工することで、雨による汚れの洗い流しや洗車のしやすさが向上します。
しかし、これは「汚れない」という意味ではありません。
定期的な洗車が必要で、特に特殊な汚れが付着した場合や長期間汚れを放置すると、取り除くことが困難になることがあります。
さらに、対応が遅れると、塗装自体が侵食されるリスクもあります。
結論 : マット塗装の最適な保護方法としてコーティング施工とプロテクションフィルムの部分施工がオススメ
このようにプロテクションフィルムとコーティングはそれぞれにメリットとデメリットがあります。
プロテクションフィルムを全面に施工すれば、汚れや傷からしっかり守られますが、高額な費用がかかり、約5~7年ごとに貼り替えが必要になる可能性があります。
一方、コーティングはプロテクションフィルムよりも安価ですが、傷への保護効果は限定的です。
このため、カーハートでは両者の長所を活かしたハイブリッド施工をお勧めしています。
全面にコーティングを施し、さらに生活傷がつきやすいドアエッジやドアハンドル、リアバンパーゲートステップなど、または飛び石などのダメージが当たりやすいフロント周りなど、特定の部位にプロテクションフィルムを施工することをおすすめします。
施工内容や範囲はオーナー様のニーズに応じて決められます。
当社では、これまでにマット塗装の車両50台近く、通常の塗装車を含めると10,000台以上の様々な施工を行ってきました。
30年にわたる経験と知識を基に、最適な施工方法をご提案いたします。
マット塗装の保護に関してご不明な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。