黒。
光沢や深みのある色合いが美しく、高級感を演出することができる色です。
しかし汚れや傷が目立ちやすく、扱い方によっては、かえって車の価値を下げてしまいます。
黒は最もスタンダードな色でありながら、最も扱いの難しい色です。
そのためこの黒をどこまで美しく仕上げられるかが、コーティング専門店の技量を明らかにします。
本記事では黒い車の特性を深く理解し、その美しさを最大限に引き出すためのコーティング技術について解説します。
黒い車のコーティングのメリット・デメリット
黒い車のコーティングによるメリット
黒い車の魅力は深みのある色合いと上品な光沢です。
コーティングを施工することでこの美しさをさらに引き立てることができます。
さらに以下のメリットを期待できます。
- 光沢と色の深みが増し、より上質な外観を実現
- 汚れが付着しにくくなり、洗車の手間が軽減
- 紫外線や酸性雨などから塗装を保護し、劣化を防ぐ
- 細かな傷が目立ちにくくなり、長期的に美しさを維持
- 愛着のある車をより長く乗り続けられる
またコーティングと定期的なメンテナンスがなされた黒い車は、高級感と美しさを兼ね備えているためリセールバリューの向上にもつながります。
黒い車のコーティングのデメリット
一方で、黒い車特有のデメリットも存在します。
- 汚れや水垢が目立ちやすく、こまめな洗車が必要
- 細かな傷が目立ちやすく、取り扱いに注意が必要
- 直射日光下では塗装面の温度が上がりやすく、汚れの焼き付きが起こりやすい
- 研磨やコーティングが難しく、専門店に依頼する必要がある
黒い車の塗装面が高温になる理由と、それによる汚れの焼き付きメカニズム
可視光線のほとんどを吸収するのが黒色の性質です。太陽光には可視光線だけでなく熱エネルギーを持つ赤外線も含まれています。黒い車の塗装面は可視光線と赤外線の両方を吸収するため、他の色の車と比べて表面温度が上昇しやすくなるのです。
炎天下に駐車した際、黒い車の塗装面温度は80℃近くにまで達することがあります。この高温状態で雨水や水滴が付着すると水分が急速に蒸発し、水に含まれていたミネラル分や不純物が塗装面に残留します。ウォータースポットやイオンデポジットと呼ばれる汚れの原因となるのがこれらの残留物です。
さらに問題なのは高温の塗装面に付着した汚れが熱によって焼き付き、固着しやすくなることです。焼き付いた汚れは通常の洗車では落とすことが難しく、放置すれば塗装の劣化を引き起こす原因にもなってしまいます。
スクラッチ傷が目立つ原因となる、黒色塗装特有の光の乱反射
上記の説明の通り黒色の塗装面は光を反射せず、ほとんどを吸収する性質があります。一方、傷が付くとその部分では光の反射が乱れ、白っぽく見える現象が起こります。これを乱反射と呼びます。
他の色の車でも同様に傷は付きますが、元々光を反射している塗装面では傷による乱反射の影響が相対的に小さくなります。しかし黒色の場合、傷のない部分は光を吸収し傷がある部分は乱反射するため、コントラストが強くなり傷が目立ちやすくなるのです。
このような理由から黒い車では細かなスクラッチ傷でも目立ちやすく、特に太陽光や照明の下ではより一層はっきりと見えてしまいます。
これらのデメリットに対し、コーティングを施工することである程度の対策することができます。
しかし、コーティングにも以下のようなデメリットがあることを理解しておく必要があります。
- 施工後も定期的な洗車が必要
- 下地処理(研磨)の技術力によって仕上がりに差が出る
- 2の理由により施工費用が高くなる場合がある
- コーティングの種類や品質によっては、期待した効果が得られない場合がある
下地処理(研磨)と仕上がりの判断の難しさ
黒い車は色の特性上、傷や凹凸が目立ちやすくなっています。コーティングを施工する前にこれらの傷や凹凸を取り除く必要がありますが、黒い車の場合、研磨の仕上がりが直接見た目に影響するため、高い技術力が求められます。研磨のやり過ぎはかえって塗装を傷めてしまう恐れがあり、絶妙な加減が必要とされます。
またコーティング施工後の仕上がりを判断する際、黒い車では照明の当たり方によって見え方が大きく変わります。ムラや塗りむらがあっても光の加減で見落としてしまうことがあり、仕上がりの質を均一に保つことを難しくさせます。
このように黒い車のコーティングは下地処理、仕上がりの判断のいずれにおいても高度な技術と経験が求められるため、難易度が高いと言われています。
施工スタッフの技量や設備の充実度が重要で、信頼できる専門店に依頼することが大切です。コーティングの施工は車の美観を大きく左右する作業であるため、品質の高さを重視し、料金だけで判断しないことが賢明でしょう。
上記の理由のため黒などの濃色車と白やシルバーなどの淡色車で料金を分ける業者があります。カーハートの場合、202ブラックやスクラッチカードなどの塗装を高難易度塗装と位置づけ追加料金が発生します。
これらのデメリットを理解したうえで、自分の車の使用環境やメンテナンスに合わせてコーティングを検討する必要があります。
信頼できる専門店に相談し、適切なコーティングと施工方法を選択することが重要です。
コーティングは万能ではありませんが正しい知識と丁寧な扱いによって、黒い車の美しさを長く保つための有効な手段となります。
傷・紫外線対策はプロテクションフィルムがおすすめ
「コーティングは傷や紫外線を完全に防ぐことができる」と言われることがあります。
ですが実際にはある程度の耐傷性は期待できるものの、過度な期待は禁物です。
コーティングを施工した車両でも洗車後の拭き上げなどで傷が入ることがあり、ヘッドライトやその他のパーツが紫外線の影響で黄ばむこともあります。
傷や紫外線対策を重視する場合は、プロテクションフィルムの使用をおすすめします。
コーティングの膜厚は0.1〜0.3ミクロンであるのに対し、プロテクションフィルムは150ミクロンの厚さがあります。プロテクションフィルムは紫外線を93%以上カットし飛び石や荷物の金具など、コーティングでは防ぎきれないダメージからも車を保護してくれます。
特に黒いボディの場合、飛び石などのダメージによる傷が目立ちやすいという特徴があります。
そのため傷や紫外線対策を重視する場合は、プロテクションフィルムの施工が効果的です。
全体施工には一定のコストがかかりますが、部分的な施工であれば数千円から数万円で実施できるので予算に応じた保護が可能です。
どのように黒い車を美しく維持するか
黒い車の美しさを維持するためには、日常的なケアと定期的なメンテナンスが不可欠です。
具体的な方法と注意点を説明いたします。
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1こまめな水洗いと拭き上げ
黒い車は汚れが目立ちやすいため、こまめな水洗いが重要です。
2週間に1~2回程度の洗車を目安に、汚れを長期間放置しないようにしましょう。
汚れを放置してしまうと、コーティング被膜の劣化や塗装面のダメージが進行する可能性があります。
洗車後は必ず柔らかいマイクロファイバークロスで水滴を拭き取り、水垢の付着を防ぎましょう。
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2優しい洗車を心がける
洗車の際は柔らかいスポンジやムートンを使用し、砂や砂利などによる傷つきに注意が必要です。
洗う前にたくさんの水を使って塗装面に砂や汚れが残らないようにします。
そして車体の上部から下部へ向かって洗い、汚れを下に流すようにします。
ここでも十分な水量を使用し、汚れを浮かせるようにして洗うことが大切です。
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3鳥のフンや虫の死骸は速やかに除去
鳥のフンや虫の死骸には酸性物質が含まれており、塗装面を傷める可能性があります。
発見したら速やかに除去することが大切です。
湿らせたティッシュペーパーやクロスで優しく拭き取り、必要に応じて中性洗剤を使用します。
拭き取った後は十分に水で洗い流しましょう。
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4定期的な点検とメンテナンス
コーティングの効果を長く保つために専門店のメンテナンスサポートを受けることもできます。
メンテナンスの際にはコーティングの状態をチェックし、必要に応じて補修や再施工を行います。
黒い車の美しさを保つためには、オーナーの方の日頃のお手入れが何より大切であり重要です。
愛情を持って丁寧に扱うことでコーティングの効果を最大限に引き出し、長く美しい状態を維持することができるでしょう。
定期的な洗車とメンテナンスを怠らずプロフェッショナルな専門店と連携しながら、大切な愛車を守ることができます。
カーハートは黒い車も磨いて美しくコーティングが可能
1993年創業のカーハートはこれまであらゆる黒のお車を磨いてコーティングして参りました。
高難易度塗装である202ブラックやスクラッチカードの黒、製造から50年以上経過した輸入車の黒、取り扱いが非常に難しい高級車の黒まであらゆる黒のお車にコーティングを施工した実績がございます。
黒は磨き美しく仕上げるのが最も難しい色といっても過言ではありません。しかし最も完成が美しい色でもあります。
カーハートでは黒い車を美しく仕上げる技術と経験を蓄積して参りました。
私たちは黒い車の美しさを最大限に引き出すために一台一台に合わせた丁寧な下地処理と、高品質なコーティング剤の選定に力を入れています。
黒い塗装の特性を深く理解し、細心の注意を払って磨き上げることで、他にはない深みと輝きを実現します。
特に新車時の美しさを取り戻すことに情熱を注いでいます。
年月を重ねた車でも私たちの技術力によって、新車時の美しさを蘇らせることができるのです。
またカーハートではコーティング施工後のアフターフォローにも力を入れています。
施工後の洗車のレクチャーやメンテナンスによってコーティングの効果を長く維持し、オーナー様に長年にわたって満足いただけるサービスを提供しています。
カーハートが目指すのは黒い車の美しさを究極まで追求し、お客様の期待を超える仕上がりを実現し、それを長くお楽しみ頂くことです。
私たちの技術力と情熱を、ぜひ一度ご体験ください。
あなたの愛車が見違えるほどの美しさに生まれ変わることをお約束します。
主な施工実績
MAZDA CX-5 ジェットブラックマイカ
施工内容
- GENESIS STELLA ガラスコーティング プレミアムパック 国産車 Lサイズ
- プレミアムパック(ホイールコーティング,ウィンド撥水コーティング/全面)
40系アルファード ブラック(202)
施工内容
- GENESIS STELLA ガラスコーティング
- プレミアムパック(ホイールコーティング,ウィンド撥水コーティング/全面)
- スモーク断熱フィルム / GY-3IR
CHEVROLET Impala 1967
施工内容
- ボディコーティング
BMW X5 ブラックサファイア
施工内容
- KUBEBOND DIAMOND9H ナノセラミックコーティング 2+1層 輸入車 LLサイズ
- プレミアムパック(ホイールコーティング,ウィンド撥水コーティング/全面)
- シリコンワイパーゴム交換
- スモーク超断熱フィルム / ウインコスプレミアムシリーズ / リア5面 / HCD-20G
- プロテクションフィルム / ドアエッジ
- プロテクションフィルム / ドアハンドル(ドアカップ)
- プロテクションフィルム / ドアステップ
Maserati Granturismo
施工内容
- ボディコーティング
McLaren 720S OnyxBlack
施工内容
- CLIMAX H9 ガラスコーティング
- プレミアムパック(ホイールコーティング,ウィンドウ撥水コーティング/全面)
- シリコンワイパーゴム交換
最新の黒い車の施工実績
黒い車の施工実績一覧はこちらQ&A
水弾きは撥水性よりも親水性・疎水性がおすすめですか?
水弾きに関して撥水性よりも親水性・疎水性のコーティングがおすすめだと言われています。
その理由について詳しく解説します。
多くの業者様が親水性・疎水性のコーティングを推奨しているのには理由があります。
親水性・疎水性のコーティングは、水を弾かずに塗装表面に薄く均一に広げる性質を持っているため、水滴が大きな水玉となって残ることを防ぎます。
その結果、ウォータースポットやイオンデポジットなどの汚れの付着を抑制することができるのです。
しかしながら親水性・疎水性のコーティングには、いくつかの留意点があります。
まずその効果は永続的ではなく、劣化とともに撥水性のような性質に変化していきます。また水量が少ない場合には、撥水性のコーティングのように水を弾いてしまうこともあります。さらに撥水性のコーティングと比較すると、施工後の輝きが劣るという特徴もあります。
一方、最新の撥水性コーティングは、ウォータースポットやイオンデポジットの発生や汚れの付着を以前よりも大幅に抑制するよう改良されています。
以上の理由からカーハートでは撥水性のコーティングのみをラインナップとしております。疎水性の水弾きをご希望のオーナー様には、水弾きを一時的に変化させることができるメンテナンスシャンプーをご用意しています。
コーティングの選択に迷われた際は、ぜひカーハートにご相談ください。
黒い車のボディコーティングの追加料金はいくらかかりますか?
基本的に塗装色が黒であっても追加料金は発生しません。
下記のケースの場合、追加料金が発生することがあります。
- 202ブラック・スクラッチカードなどの高難易度塗装
- 製造から7年以上経過しており、塗装のダメージが著しい場合
お問い合わせやご相談はこちら
※電話は回送や接客等で対応できない場合がございます。予めご了承ください。
株式会社カーハート 神戸店
〒658-0041
兵庫県神戸市東灘区住吉南町4丁目2-28
営業時間:9:00-18:00
定休日:日曜日(年末年始・夏季休業有り)