マット塗装とは
マット塗装とは特別な塗料を使った塗装のことです。
この特別な塗料が表面に細かな凹凸を形成し、光を拡散させることで実現しています。
マット塗装を触るとザラザラしているのはこのためです。
通常の塗装とは?
通常の塗装は表面を平坦にし光の拡散を抑えているので光沢のある塗装になっています。
拡散が少ないほど高光沢の塗装になります。
ラッピングでは光沢のあるブラックのフィルムをグロスブラック,光沢のないフィルムをマットブラックとなっています。
この例に倣えば通常の光沢のある塗装は グロス塗装になります。
マット塗装は吹付け塗装でも、ラッピング/カッティングシートやプロテクションフィルムでも実現できます。
以前はマット塗装といえば、オシャレのためではなく眩しさ軽減のためにラリーカーに部分的にマットブラックが施工される程度で、今よりも珍しい存在でした。

マットホワイトのプロテクションフィルムが貼り付けられているランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ
現在はマットブラックだけでなく、
- マットホワイト
- マットシルバー
- マットグレー
- マットブルー
- マットパープル
などバリエーションが増えました。
メーカー純正のオプションカラーの1つにもなっています。
特別仕様車だけでなく量産車にも採用されるようになり、ラッピングでもマット化が可能になったので限られたユーザーだけのものではなくなりつつあります。
マット塗装のメリット

グロスカーボンとマットブラックを組み合わせて、これまでにないほどスパルタンなイメージを持たせることもできるようになりました。 / コーティングを施工したMaserati GranTurismo
マット塗装のメリットは間違いなく、通常の塗装には無い質感です。
ザラッとした質感は映画から飛び出してきたかのようなルックスは魅力的です。
また、一部分だけマット塗装にしたり、カーボンなどの素材と組み合わせることで自分だけのオリジナルの1台へ仕上げられることもできます。
マット塗装のデメリット
徐々に一般的になりつつあるものの、まだまだ珍しいマット塗装。
個人のセンスで自由に選びたいところですが、通常の塗装とは違う質感を持っているがゆえのデメリットが。
そのマット塗装のデメリットとは
1.汚れやすい
2.汚れやすいのにメンテナンス(お手入れ)がしにくいこと
3.研磨で修復できない
この2つがあげられます。
マット塗装のデメリット 1.汚れやすい
マット塗装のデメリットとしてまず挙げられるのが、汚れやすいことです。
なぜ汚れやすいかというと凹凸があるからです。
通常の塗装は平坦で滑らかなので雨や水がそのまま流れていきます。
マット塗装は凹凸があるため、通常の塗装に比べて雨や水が流れにくくなっています。
また、その水に含まれる汚れも凹凸が引っ掛けて 塗装上に残ってしまいます。
汚れが蓄積されると落とすのが難しい水垢汚れになってしまいます。
さらにマットの質感ゆえに手で触れるだけで手の皮脂が残り、ドアノブ周りだけうっすらと艶がでることもあります。
マット塗装のデメリット 2.汚れやすいのにメンテナンス(お手入れ)がしにくい
汚れやすく、汚れが目立ちやすいマット塗装ですので、汚れが固着しないように洗車などで汚れをこまめに落とす必要があります。
しかし、傷が入ると対処できないので洗車機の使用は非推奨です。
洗車をするなら水で砂や埃をよく落としてから、慎重に洗う必要があります。
マット塗装のデメリット 3.研磨で修復できない
通常の塗装の車の場合、ケミカル(洗剤)で落ちない汚れや洗車キズ・くすみなどのキズは研磨をすれば落とすことや目立たない状態にすることができます。
塗装がない状態であったり、塗装の劣化が著しい場合は研磨ができないため再塗装になります。
研磨は部分的なものであれば数千円から2万円程度で数時間できますが、塗装の場合は損傷が部分的であっても1面塗り直しで場合によっては隣接面も塗り直しになり5万円から数十万円かかり3-4日は預ける必要があります。
多くの場合研磨で対処することができるため、再塗装が必要になることはあまりありません。(使用年数や保管・使用状況次第で異なります。)
ところがマット塗装の場合、研磨してしまうとマットの素である凹凸を削ってしまい、磨いたところだけ艶が出てしまうため研磨することができません。
ケミカル(洗剤)で落ちない汚れや洗車キズについては再塗装、または上からプロテクションフィルムを貼り付けるという対処になります。
通常の塗装を行える業者は多いですが、マット塗装を行える業者は日本全国で数えられるほどしか存在しません。
作業は簡単ではないのでマット塗装の再塗装は10万円からと高額になりがちです。
プロテクションフィルムを一面に貼ることで対処できますが8万円以上します。
このようにマット塗装は通常の塗装と比べ修復が難しく費用が高くなりやすいです。
ですので、マット塗装をキレイに乗り続けるには日頃から汚れや傷をつけないようにすること、こまめに洗車することを通常の塗装の車以上に意識する必要があります。
ここまで読むと
「マット塗装は扱いが面倒だな」
と感じるかもしれません。
そう感じる方にオススメなのがマット塗装へのコーティングとプロテクションフィルムです。
2023/01/16 : 現在、記事の内容を更新中です。マット塗装のコーティングとプロテクションフィルムについて知りたい方はこちらのページをご覧ください。
マット塗装にコーティングをオススメする理由
マット塗装へのコーティングがオススメなのは、以下のメリットがあるからです。
- 汚れが付きにくくなる
- 汚れが付きにくくなるから、汚れを落としやすくなる。
- 汚れが付きにくくなるから、キレイな状態を長持ちできる。
- 汚れが付きにくくなるから、時間の節約ができる。
いずれも「汚れが付きにくくなる」ことから始まっていますが汚れが付きにくいことにより、洗車の頻度を落としてもキレイな状態が長持ちさせることができます。
通常の塗装の場合でも同じメリットがありますが、汚れやすいマット塗装であればなおさらそのメリットは大きくなります。
では、マット塗装の車には必ずコーティングがされている...。
とはいかないのが、マット塗装の難しいところです。
メリットが多くても難しいマット塗装へのコーティング
まず、通常の塗装のコーティングと同じように研磨をするとマットの素の凹凸を削ってしまうので、研磨ができません。つまり、コーティングに失敗して研磨をしてやり直そうと思ってもできないということです。
また、コーティング剤を凹凸のあるボディにムラなく均一に塗るのも至難の業です。
ムラを起こさないように少なく塗るならば、コーティングの効果を最大限発揮できませんし、多く塗り過ぎるとムラを多発させてしまいます。
このようなことから、専門業者であってもコーティングを断るケースは少なくないようです。
またムラが起こりやすい=失敗しやすいため、ディーラーによっては施工していても施工していることを伝えず施工証明書も出さないところもあります。
そんな難しいマット塗装へのコーティングですが、経験を重ねてカーハートは上手くキレイにコーティングできるよう、マット塗装車へのコーティングに取り組んで参りました。
熟練のスタッフがムラ無くボディ全体をコーティングすることはもちろん、乗られて何年か経過したマット塗装車でも専用ケミカルを使って雨シミなどのダメージを除去いたします。
オーナー様のために細かく見ています
カーハートは少人数先鋭で作業しているため、1台1台時間をかけて見ることができます。
そのため、こんなチェックをすることも可能です。
これは何をマスキングテープで示しているかというと...
光の加減でわかりにくいですが
うっすらと汚れが確認できます。
このように、作業前になかなか普段は見えづらい汚れを、一つ一つ確認してから作業します。
作業中も幾度も光を当てて、汚れがついたままになっていないか確認します。
また、ピラーやフロントスポイラーなどマット塗装では無いところは通常通り、研磨してコーティングいたします。
マット塗装と組み合わせが良いカーボンは磨くのが難しい素材ですが、精巧な研磨によってキレイに磨きあげます。
マットだから全部磨かない・磨けないではなく、磨けるところは磨いて全て美しくする。
これがカーハートのマット塗装のためのコーティングです。
マット塗装向きのコーティング GENESISガラスコーティング
マット塗装の車両にはカーハートオリジナルコーティングである、GENESISガラスコーティングを施工しています。
このコーティングは被膜硬度6Hの硬さを持っています。(※被膜硬度とは鉛筆の硬度と同じ意味です)
上位ランクのコーティングは8H,9Hと非常に強力な被膜硬度を持っていますが、被膜が硬すぎるコーティングは硬化時間が短い傾向にあり施工に不向きです。
適度な硬さを持ち、柔軟性に優れたGENESISガラスコーティングはマット塗装に効果を発揮します。
GENESISガラスコーティングは無機質のポリシラザン(Si02)を密着させており、ウォータースポットを軽減します。
また、撥水性・撥油性に優れているので粉塵や虫の死骸、鳥フン等を水洗いで簡単に落とすことができます。
そのため、簡単に洗車を済ませることができます。
もちろん洗車をしなくても良いわけではありませんがその回数を大幅に減らし、短時間で終わらせることができます。
耐久性はオーナー様の保管環境やメンテナンス状況によって変わりますが、3-5年程度です。
実際の施工後の水弾き
Mercedes-AMG G63 manufaktur Editionのオーナー様より施工後の写真をシェアしていただきました。
とてもキレイに撥水しているのが分かります。撥水しているので運転するだけで水が落ちていきますし、洗車時の拭き上げもとても簡単になります。拭き上げが簡単になるのでタオルによる擦りキズが入りにくくなります。
未施工ですと水が塗装に残りやすく、汚れも残りやすくなってしまいます。
コーティングだけでなくプロテクションフィルムも対応
コーティングは汚れ対策になりますが、乗降時の靴・ヒールの底のダメージ、ゴルフバッグの金具などの物理ダメージから保護することができません。
プロテクションフィルムを貼付けておくことで物理ダメージからボディを保護することができます。
カーハートではマット塗装に対応したステルスタイプのプロテクションフィルムもご用意しております。

ドアエッジ、ドアハンドル(ドアカップ)にプロテクションフィルムを施工しております。施工前後で見た目がほとんど変わらないのが特徴です。

G-classでは乗降時に必ず踏むサイドステップへのプロテクションフィルム,ラッピングフィルムも施工しております。
マット塗装のよくある質問と回答
コーティングで研磨(ポリッシュ)はしますか?
基本的に研磨はしません。
しかし、研磨でも艶を出さずに傷を取ることもできるので、場合によっては微量だけ研磨をします。
実車を見なければ判断できませんので、気になる場合はお問い合わせください。
コーティングによって変に艶はでませんか?
よく「コーティングをマット塗装車に施工すると変に艶が出てしまって外観が大きく変わってしまうのではないか」と言われています。
施工している側からすると、大きく変わることはありません。
コーティングを施工することで変にツヤツヤな車になることはありません。
これまで施工したお客様に外観が変わったとクレームを頂いたことは一度もありません。
もしご心配であれば、目立たない箇所に施工して試すことも可能です。
コーティングの消耗によって見た目は変わりませんか?
コーティング被膜が消耗(劣化)すると光沢感が少し失われるかもしれませんが、見た目に大きな変化はありません。
見た目が大きく変わる原因として考えられるのは、凹凸の消耗や汚れの放置で起こるシミの固着、飛び石等による物理的ダメージです。
コーティング施工車にワックスをつけても大丈夫ですか?
通常のコーティング施工車同様、ワックスの利用はお控えください。
汚れているマット塗装車でもコーティングは可能ですか?
基本的にコーティング前のクリーニングで汚れを落とすことができます。
ただし、通常の塗装と同じ様に研磨できないので、落とせない汚れがある場合がございます。
この点を予めご了承ください。
コーティングを依頼しても対処できない事例を教えてください
コーティングやクリーニングは塗装表面に対するアプローチになります。
そのため、塗装そのものにあるダメージ(飛び石や塗装と一体化しているウロコ)には対処できません。
この場合、鈑金塗装で塗り直すしか対処方法はありません。
施工実績
Mercedes-AMG G63 Edition Matt Black
Mercedes-AMG G63 マグノナイトブラック
Mercedes-Benz G400d STRONGER THAN TIME Edition
Mercedes-Benz CLS 450 4MATIC Sports
Mercedes-AMG GT53 4-Door
LANDROVER DEFENDER 110SE
Maserati Levante Launch Edition - Grigio Vulcano Matte
Lamborghini HURACÁN PERFORMANTE
Lamborghini Aventador SVJ
LEXUS LFA マットブラック
マット塗装車への最新の施工実績はこちら
料金
ボディコーティングは新車の場合1.1-1.2倍、経年車で1.3-1.5倍の料金になります。
ご予約・お問い合わせ
カーハートは1994年創業の兵庫県神戸市のコーティング専門店です。
これまで人気の国産車から難易度の高い車、希少なお車などあらゆるお車にコーティングを施工して参りました。
マット塗装のコーティング、その他お車のコーティングやフィルム等のご用命やご相談を受け付けております。
こちらからお問い合わせください。
※通常の塗装をマット塗装にしたい場合、当店では対応できませんので予めご了承ください。塗装かラッピングになりますが、塗装すると査定が大幅に下がります。フルラッピングの場合はおおよそ70万円から120万円、それ以上の料金になります。
以下はゲレンデヴァーゲンのオーナー様のために作成されたページですが、マット塗装についてもいくらか情報をまとめております。よろしければご覧ください。
【マット塗装についても】ゲレンデヴァーゲンでよくある質問と料金について
【マット塗装についても】ゲレンデヴァーゲンでよくある質問と料金について はこちら
ボディコーティングについて詳しくはこちら
他のコーティングサービスについてはこちら
カーハートのオリジナルコンテンツ
コーティングはディーラーよりも専門店が。専門店よりもカーハートがオススメできる理由
バイキングのステーキと専門店のステーキ。同じステーキでも味や品質、見た目が異なります。コーティングでも同じことが言えます。
新しいクルマをキレイな状態で楽しみ続けるための オススメサービス3選
車をキレイに使い続けるための様々なサービスを提供するカーハート。ボディコーティングだけではないのが魅力の1つです。ところが、多すぎて何を車にすれば良いのかわかりにくいのも事実。新しく迎える車にできる厳選サービスをご紹介いたします。
コーティングの5つのメリット
よくコーティングの謳い文句で語られる「新車以上の美しさ」とは何でしょうか?新車だったら、納車時が1番美しいのではないでしょうか? "車がキレイになる"以外の、意外に知られていないメリットについてもまとめています。
【コーティングの水弾き】撥水・疎水(滑水)・親水の違い
コーティングを真剣に選びたいと思うユーザーが必ず考える、水弾き。水と親しいと書いて親水性。水と親しいとは一体?水が滑る滑水性とはどんな水弾き?一般的な撥水性が良いのか?それとも間の疎水性・滑水性がバランスが良くて良いのか?疑問はたくさんあります。
そんな水弾きに関係した情報をまとめました。
【デメリットもあります】マット塗装とは? コーティングが勧められる理由
最近、ドイツ車を中心によく見かけるようになったマット塗装。他とは違う質感は普通の車とは違う、独特のオーラが魅力的です。では、マット塗装は通常の塗装とどのように違うのでしょうか?意外に知られていないマット塗装を選択するデメリットについてもまとめました。
ボディーコーティングでよくいただく質問
コーティングってそもそも何でしょうか?コーティングは汚れを完全に防ぐことができるのでしょうか?どうすればコーティングの効果を長持ちできますか?カーハートでよくいただく質問をまとめました。